労働相談Q&A
4 会社が、賃金を一方的に減額しました。どうすればよいのでしょうか。

労働者の合意のない労働条件の一方的不利益変更は、無効になりますので、差額の支払を求めることができます。

 

1 労働条件の不利益変更
賃金は重要な労働条件であり、その引き下げは、労働者にとって不利益変更になります。労働条件の一方的な不利益変更は、原則として許されません。労働条件を規定するものは3種類あり、法規範として効力が弱い順に、①会社と個々の労働者とで結ぶ労働契約、②会社が事業場全体の労働者について規定する就業規則、③会社と労働組合とで締結する労働協約があります。
①労働契約については、「合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」(労働契約法第8条)とあり、労働者の合意のない賃金その他の労働条件の一方的不利益変更は、無効になります。
②就業規則についても、一方的な不利益変更は原則として許されません。ただし、一定の場合には変更ができます(同法第10条)。なお、変更手続としては、会社は、過半数の労働者で組織する労働組合があればその代表から、なければ、労働者の過半数代表者から就業規則の変更について意見聴取を行い、周知、労働基準監督署への届け出が必要です(労基法90条)。
③労働協約(労働組合と会社で合意した内容を書面作成し署名又は記名押印した文書。労働組合法第14条)は、合意により改訂することができます。一方的な賃下げはできません。
会社が従業員多数の賃金を下げようとする場合は、まず、会社は、経営・財務の悪化状況等、賃金を下げる理由、役員報酬の削減や経費節減、新規採用の抑制等の措置、不利益を緩和する代替措置等を労働組合の説明し、合意の上賃金を引き下げることになります。

2 対応策
個人で対応できない場合は、既存の労働組合や連合東京(連合ユニオン東京)の団体交渉、行政(東京都労働相談情報センター東京労働局)のあっせん等の方法もあります。
詳しくは、専門の各窓口にお尋ねください。また、労働組合加入・結成については、連合東京へお尋ねください。

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