労働相談Q&A
6 仕事中にけがをしました。治療をしている間、仕事ができず収入がありません。どうしたらよいのですか。

会社が一定額を労働者に支払い労働者の生活を補償すること等を義務付けています。労働災害に認定されれば、治療費(全額)、休業補償(給料の8割)等の給付が受けられます。

 

1 労働災害とは
業務による負傷、疾病、障害又は死亡等を労働災害(以下「労災」)といいます。通勤により被った負傷、疾病、障害又は死亡等の通勤災害を含みます。
労働基準法は、労働者が労災に遭った場合、会社が労働者の療養費を負担すること、また、それが理由で働くことができずに賃金が受けられない場合に、会社が一定額を労働者に支払い労働者の生活を補償すること等を義務付けています(労働基準法第75〜83条)。しかし、実務的には、労働基準監督署に労災の認定申請をし、労災認定されると、各種給付が受けられます。
労災認定には①業務遂行性と②業務起因性という2つの要件を満たすことが必要です。業務遂行性とは、労働者が労働契約に基づいた事業主の支配下にある状態において発生した負傷・疾病等であることを言います。業務起因性とは、業務と傷病等との間に一定の因果関係が存在することを言います。
労災に認定された場合、労災保険により各種給付が行われます。労災保険は強制加入制度のため、事業主や労働者の意思にかかわらず、労働者を一人でも雇用するすべての事業主に加入が義務付けられています。労災保険料は事業主のみが負担します。給付には、治療のための療養(補償)給付(全額)、休業時の生活のための休業(補償)給付(給料の8割)があります。正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイト等全ての労働者に適用があります。
また、療養を開始して1年6ヵ月経過しても治らない場合等に支給される傷病(補償)年金、治療後に障害が残った場合に支給される障害補償年金、障害補償一時金、障害特別支給金、死亡した場合に遺族に支給される遺族補償年金、遺族補償一時金、遺族特別支給金、葬祭料、一定の障害により傷病(補償)年金又は障害(補償)年金を受給し、現に介護を受けている場合に支給される介護(補償)給付があります。

2 対応策
労働災害に遭ったのに会社が対応してくれない場合は、会社に労災申請を出すように依頼します。会社が対応してくれない場合は、会社所在地を所管する労働基準監督署に自分で申請することになります。労働災害の申請や保険給付に関することは、労働基準監督署までご相談ください。

しかし、会社が非協力的で困っている、過労死等長時間労働による労災認定や他の労働問題と関連している等で、個人で対応できない場合は、既存の労働組合や連合東京(連合ユニオン東京)の団体交渉、行政(東京都労働相談情報センター東京労働局)のあっせん等の方法もあります。詳しくは、専門の各窓口にお尋ねください。

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